「くだく」という言葉を聞いたとき、何をイメージするでしょう?
おそらくは、岩などの堅いものをハンマーのようなもので粉砕するイメージをもつのではないでしょうか。
ところが、青森では、かたくもなく、大きくもないものに対して「くだく」という言葉を使うのです。
もしも、あなたがお札を渡されて、「明日使うはんで、くだいといてけ」などといわれてお札を預かったら、いったいどうすればよいのでしょう?
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「くだく」の意味
「くだく」は、高額な紙幣などを少額の紙幣や硬貨などに交換することをいいます。
「くだく」の使い方
例文1
A「今日、支払いに行くからじぇんこけ」
(今日、支払いに行くからお金をください)
B「ちょっとまってけ。細かいのないからくだいてくるはんで」
(ちょっとまってね。小銭がないから両替してくるから)
例文2
A「この自販機、釣銭切れだはんで、ダラ銭貸してけ」
(この自販機、釣銭切れだから、小銭貸して)
B「いいよ。あとでくだいたら返してね」
(いいよ。あとで両替したら返してね)
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さいごに
今回は、なかなかディープな例文でしたね(笑)。
お金は「じぇんこ」、小銭や小額紙幣を「細かいの」、小銭を「ダラ銭」といいます。
聞きなれないと、すべてが謎の会話になってしまいますよね。
両替に関する方言は全国各地にあるようです。
「くだく」のほかにも、北陸地方や九州の一部で使われる「こわす」というのもあります。
これらは、江戸時代に広がったともいわれています。
共通しているのは、大きなものを小さなものに変えるというイメージで使われている点です。
ちなみに、共通語で両替することを「崩す」というそうです。これも、結構意外に思うのかもしれませんね。
その他の青森県の方言は「青森県の方言一覧」を、日本各地の方言は「日本各地の方言一覧」からお調べ下さい。
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